ちゃんとEDAYAのフィリピン工房での動きも発信していかないとなーと思いつつ、現場にいると、目の前でどんどん対応していかないといけないことが多すぎて、つい後回しになってしまう。この6月EDAYA工房は、前にもブログで書いたけれど、月末に日本からフィリピンにやってくる方々の受け入れ準備&プログラム準備と、7月から始まる教育事業の準備でてんやわんやだ。

ここ数日、教育事業の方は、参加者のスクリーニングが大詰めで、2回目の面接を電話で行っている。1回目の面接は、フィリピン・ルソン島北部の山岳地帯6州の州立大学や私立大学を直接訪れて、参加者候補の推薦をもらい、彼らを対面で面接して回った。EDAYAの教育事業では、大学を卒業したけれど、仕事がないままでいる山岳地帯出身の若者を参加者として集めているのだが、Facebookや個別での広報の他に、今年は大学に推薦をもらおう、という話になったのだ。参加者数は5名を予定していて、出来れば、それぞれ違う州の出身者であればいいなと思っている。前回2015年10月~2016年3月にかけて初めて、フィリピンの若者向けに教育のプログラムを展開した時には、3人ともカリンガ州の出身で、Facebookや個人での広報で集めた参加者だったのだが、参加者のもともとの学力や吸収力にばらつきがあったことや、多様性からの学びを重視したプログラムにしていくためにも、バラバラの出身地かつ大学からの推薦を優先する、という方針をとった。

それでも大学から推薦をもらうのは、普通に広報するのより数十倍も労力が必要で、特に大学のヒエラルキーとの戦い、そして目的を理解してもらうこと、の2点に苦労した。1点目のヒエラルキーだが、これは生徒管理をする部門の人が卒業生の推薦をするのにも、学長レベルへのレターの送付が必要で、学長から、生徒管理部門のトップの人、そこから担当者へ指示が下るのを待たなくてはならない。これが1週間でできればいいが、ほとんどは2週間かそれ以上。さらに困ったことに、指示が違うことが結構あって、卒業生の推薦をしてほしい、と言っているのに、在学中の学生を推薦されたことが何度もあった。

そして、今回の教育プログラムの目的を理解してもらうのも、至難の業。大学が求めているもの(というか、フィリピン全土でそうだが、、、)は仕事であり、教育プログラムを卒業したら、職があるのか?というのが一番に聞かれることなのだ。だからもともとは、参加者に地元の村のためにできることを考えてもらい、できれば実行してもらうための、社会的起業のスキルセットの教育や創造性の向上を目指したプログラムの実施を考えていたのだが、もう少し、直接的ベネフィットが見える形でのプログラムへの変更を余儀なくされた。具体的には、最終的に参加者には、地元の村でできることをプロジェクトとして立案してもらい、ビジネスコンテストのような形で最後競わせ、良い案に賞金をつけるというものだ。まぁ、この国の”直接的ベネフィット”がないと、人が動かないという体質には、結構うんざりすることも多いのだけれど、こればかりは、文化な側面もあるし、私が一昼夜で変えられないことでもあるし、もどかしい。ちなみに、”直接的ベネフィット”の事例には、例えば村でイベントをするときには、食事(=たいていの場合豚の丸焼き)を運営側が用意しないと人が集まらないとか(でも、これは昔からの慣習で村の人が集まる時には必ず、儀式を行い豚などを精霊への捧げものとしたというところとも関わるから、いいとも悪いともいえない?!)、道路がいつまでたっても完成しない理由は、作ろうとしている道路脇に住む人が政府へある程度以上の金額を積まないと道路を作らせないと訴えるのが理由とか(けれど訴えている相手の政府の方も、道路工事など大型案件を請け負っては、不正に大金をポケットマネーにしているのが常だから、お偉いさんがやっているなら自分たちもやっていいだろうという住民の意見もわからないでもない)とか。

ただ、もともとこの”直接的ベネフィット”=賞金は今回のプログラムでは、予定していなかったことで、ここの資金繰りなども考えていかなくてはいけない。というのも、今回の教育プログラムは私たちにとってまだ2回目で、3回目まですでにやることが予定されているものの、まだプロトタイプ的に実験的に進めていく段階だと認識していて、賞金などを出していく段階は、もっと教育プログラムそのものがしっかりとしたものになり、EDAYAとしても土台を固めたあとだと、踏んでいたからだ。でも、どうやら、少しずつでも、この問題に取り組んでいかなくてはいけなさそうな状況だから、なんとかするしかない。

このプログラムは半年間のプログラムで、参加者は前半2~3ヶ月は、EDAYAの工房に寝泊まりし、合宿形式で社会的起業のスキルセットや、創造性の向上を目指したワークなどに取り組んでいく。それとは別に、毎週土曜日に時間を設け、地元の村でやってみたいプロジェクトの案を考え、ピッチの練習をする、ということを行う。そして、合宿終了後は、1か月地元に戻り、案の検証、ラピッドプロトタイピングを行う。その後、もう1か月合宿を行い、地元での検証結果を組み込んでの案の再構築とピッチ練習を行う。そして、最後がコンテストでの発表という流れだ。

私たちにとっても、すでに新しい試み満載だったのだが、さらに、最後のコンテストで賞金をつけていく話になり、うーん、ここからが運営的にはまた大変そうだ。案としては、海外でのクラウドファンディングに挑戦する、、、というのがあるのだが、そんなに簡単にいくものなのか。頑張らねば。

スクリーニングのために訪れた大学のひとつ、ベンゲット州立大学

 

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